「知るを楽しむ この人この世界・禁断の科学」への抗議
平成18年1月
目次
NHKでは教育テレビ番組「知るを楽しむ」(この人この世界)のシリーズとして、2005年12月から2006年1月にかけて、早稲田大学教授、池内了氏の「禁断の科学」(テキスト「知るを楽しむ この人この世界」2005年12月1日発行、2005年12月〜2006年1月、第1巻17号、日本放送出版協会)を8回に分けて放映している。
その中の第6回では、「原子力の現在」というタイトルで、原子力問題につぃて1月16日に放映された。このテキストを見た「エネルギー問題に発言する会」、「EEE会議」会員の有志が、「原子力の現在」の内容には事実誤認や偏見が多く含まれており、これがそのままの形で放映されるのは問題であるとして、NHKに抗議文を送付した。電気事業連合会からも同種の抗議が提出されている。
抗議の内容は、事実誤認や偏見に対する具体的な指摘とともに、公共性を標榜しているNHKの報道姿勢に対する危惧や意見である。放映された内容は、我々の抗議も反映されたと思われるようなテキストとは全く異なって問題点の少ないものであったが、それだけに何を訴えようとしているのかわからないふぬけの物となっていた。しかしテキストは依然として流布されているので、会員有志が指摘した事項を公開する必要があると考え、ホームページに掲載した。
このホームページに掲載した指摘事項は、有志各位の抗議文を集約、編集したものであり、抗議文の表現とは必ずしも一致していないことを承知されたい。
事実誤認と読者に不安を与えたり一方的誘導したりすることに対する指摘を第T章に、報道姿勢に対するコメントを第U章に記載した。更に、会員から寄せられた我々の活動に関する意見を第V章に掲載した。コメント提出者の氏名は末尾に掲載した。
科学リテラシーの面で日本が後退しつつある今日、特に若い世代の理科離れを助長することを恐れている。NHKに対してはテキストの訂正とともに、「知るを楽しむ」という題名にふさわしい、人類の英知に感動し皆が自分なりに理解を深め、希望を持てる内容にしてもらうことを希望する。
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以下は、NHKに訂正を求めた事実誤認等に関する具体的な指摘事項である。
1.軍事研究との関係に関して(P18)
〔原文〕
「・・・原子炉が、元々潜水艦用に開発されたものである。潜水艦用であれば軽量にしなければならず、燃料を簡素化したであろうし、原子炉本体も単純化したであろう。それを陸揚げして大型化したのだが、果たしてその方式が商業用原子力発電に最善だったであろうか。より安全性に優れた方式や放射性廃棄物の処理が簡単な方式が検討されないまま、軍事技術がそのまま転用されたのである。」
〔コメント〕
第二次世界大戦後、米国では国立研究所、大学、原子炉メーカーが協力し、10数年の年月を掛けて軽水型発電用原子炉を開発しました。その最大の目標は安全性と経済性の両立だったのです。日本では1966年頃に米国から技術を導入し、その後も改良を重ね、現在では53基が稼動中です。
米国で開発された最初の発電用原子炉は潜水艦用に使われ、それを転用して商用原子力発電所の実証が行われたのは事実です。そこで著者は、軍事技術と商用原子炉とを結び付け、三段論法の議論を展開しています。しかし、著者は、商用原子炉に安全性やコストがどのように作りこまれたのか調査しておらず、現在日本で稼動中の商用原子炉がどのように設計・製造・検査・建設され、それらがどのように運転・保守されているのか、その実態をご存じないようです。もし調査した上での判断ならば、その根拠を示すのが科学者のやり方だと思います。
2.原子炉の温度に関して(P111)
〔原文〕
「原子核が分裂したり(「核分裂」)くっついたり(「核融合」)するのが原子力エネルギーである。それを温度に換算するとおよそ2000万度に対応する。それが太陽の温度であり、化学反応による温度の一万倍以上もの大きさである。」
〔コメント〕
太陽は核融合反応であり、原子炉は核分裂であり、全く異なる原子核反応である。これをあたかも同じように表現するのは、厳密な理論構築が使命であるべき物理学者のすることとは思えない。原子炉は太陽と同じであるから大変にこわいものであるというのは、著者は子供だましみたいな説明をしようとしているとしか思えない。
2000 万度は、核融合反応の起こっている太陽の中心部の温度である。一方、核分裂反応で生じうる温度は数百万度であるが、それは、原爆の爆発時の瞬間中心温度で、まさに制御装置のない核兵器の世界の話である。制御装置が縦横に働き、冷却材の存在下での原子力発電の原子炉と、同じ土俵での話にもってゆくのは、人心の霍乱を意図したととられても仕方のない言動である。
原子核反応で生じた直後の中性子のエネルギーは約10Mevといわれている。常温(300度K)の中性子(熱中性子)のエネルギーは0.025evであり、核反応直後の中性子のエネルギーは単純計算で常温の約4億倍のエネルギーに相当する。また、一個のウラン235が反応して生じるエネルギーが約200Mevである。これらのデータから2000万度がどのようにして出てきたのかよく分からないが、原子炉の燃料体の最も温度の高い部分(燃料ペレット中心)でも定常時には1000度C程度で、最悪の事故時に、例え燃料が溶融することがあったとしても、その融点である約2800度Cを超えることはない。2000万度などと、一般の方々の知識の乏しいことに付け入って、誤った表現により恐怖心を煽ろうとされたことは許せないことである。
3.化学反応と原子核反応の温度ギャップに関して(P111〜P112)
〔原文〕
「化学反応の世界である地上に、原子核反応による太陽の火を燃やそうとしているのが原発であり核兵器なのだ。これらの間に一万倍以上のエネルギーギャップがあること、それを化学反応の技術で操作しようとしていること、これが原子力の危険性の本質である。」
〔コメント〕
原子力はエネルギー密度が大きいので化学プラントや火力発電所とは異なった技術と管理手法によって建設・運用されている。材料の選定、設計、製作、試験、運転、保守などの全ての段階で人的要因を含めて可能な限りの品質管理が行われている。しかし、これら全ての建設・運用段階も人間が関与するので、完璧とはいえない。そこで、「深層防護」の設計思想により機器・設備の故障や誤動作などが大きな放射線事故に発展しないように可能な限りの安全設計が施されており、更に、原子炉格納容器などのように運転には関係がない安全確保のための専用の機器を備えている。例えば安全上重要な機器・系統は通常運転には用いない余分のもの(待機機器や系統)を備えるなど、化学プラントや火力発電所とは異なった対策がとられている。原発用の安全上重要な機器は所謂「原子力スペック」と称されている特別仕様で作られ、他の同様な機器より高価であることが批判されているほどである。
4.分裂がエネルギーと中性子を放出することに関して(P112)
〔原文〕
「・・・中性子が別のウラン原子核に吸収されると、やはり核分裂反応を起こしてエネルギーと中性子を放出する。」
〔コメント〕
エネルギーは核分裂の結果生じた核分裂物質や中性子などの粒子の運動エネルギー、放射線エネルギーの形で生じるので、この表現は正確な表現ではない。中性子もエネルギーを持っている。
5.「太陽」と「地球」の例えに関して(P116)
〔原文〕
「いわば、原子炉部分は2000万度分のエネルギーが発生する「太陽」(原子核反応)で、発電機部分が数百度の水蒸気の圧力で電気を出す「地球」(化学反応)に当たる。」
〔コメント〕
原子炉部分が太陽と同じ反応であり、その温度も2000万度になるような印象を与える表現になっているが、原子炉に2000万度のような超高温の部分はない。まさか池内氏がその様に思っているわけではなく、あえて原子核反応という共通性だけを取り上げてたとえ話しをしているのだと思われるが、何故こんな事実と食い違うたとえ話しをするのか、全く理解出来ない。このたとえ話で一般の視聴者の原子力に対する理解を向上させることができると考えているとしたら、読者、視聴者を愚弄しているといえるであろう。池内氏の目的はなんであろうか。原子炉というものを太陽のような苛烈な反応であるというイメージにより、おどろおどろしく描くことにより、反原発に誘導していると思われてならない。
6.燃料サイクル路線に関して(P117)
〔原文〕
「その再処理技術の困難から、世界各国は核燃料サイクル路線を諦め、使用済み燃料棒をそのまま廃棄する方針(ワンス・スルーという)をとり始めているが、・・・」
〔コメント〕
使用済み燃料の再処理は現に、仏、英、露などでは商用ベースで行われている。米国のワンス・スルー政策も技術的に困難だからではなく、核不拡散対策として行っているもので、最近のエネルギー事情から、米国も再処理路線に復帰する検討を始めた。また、米国の場合、ワンス・スルー方式も「廃棄」するのではなく、いつでもユッカマウンテンから取り出して再処理できるように、「一時保管的」処分である。
7.高速増殖炉の熱エネルギーに関して(P117〜P118)
〔原文〕
「(高速増殖炉は)プルトニウム生産を増やすために中性子の放出が増えるよう分裂性ウラン(重さ235)の濃度を高めており、発生する熱エネルギーが通常の原子炉より大きい。」
〔コメント〕
高速増殖炉はウラン235を用いるよりもプルトニウムを利用する方が、メリットが大きいので、通常は劣化ウランとプルトニウムを混合した燃料が用いられる。濃縮度は原子炉が運転可能なように選定される。高速増殖炉での発生熱エネルギーが通常の原子炉より大きいという表現は正確ではない。炉心の体積が小さいので発熱密度が大きくなるのであって、炉心の狭い流路を流れて発熱密度の大きい発熱体を冷却するのに、冷却能力の優れているナトリウムが用いられている。
8.ナトリウムの制御に関して(P118)
〔原文〕
「(「もんじゅ」のナトリウム漏出事故は)設計上の凡ミスなのだが、ナトリウムの制御が難しい証拠でもある。」
〔コメント〕
温度計破損とナトリウムの制御とは直接の関係はない。ナトリウムの制御が難しいと言うことはない。
9.「スーパーフェニックス」運転中止に関して(P118)
〔原文〕
「(ナトリウムの取り扱いが難しいから)原発の先進国でもあるフランスでも高速増殖炉「スーパーフェニックス」の稼動があがらず、商業運転を中止してテスト用に残すだけになってしまった。」
〔コメント〕
ナトリウムの取り扱いが難しいから中止したのではない。スーパーフェニックスの計画中止は技術的な問題より、当時の新政権の政治的駆け引き材料に使われたものと理解されていおり、フランスの関係者もそのように言っている。また、フランスでは原子力発電が全電力の80%近くになっており、且つ電力需要の伸びも止まっているという事情もあったかもしれない。
しかしながら、フランスではフェニックス炉を始め、長年月のナトリウム技術を保有しており、最近、シラク大統領は第四世代炉の設計を開始するよう関係機関に要求したそうであるが、候補炉型の中にナトリウム冷却高速炉も入っているようある。
10. 高速増殖炉と核燃料サイクルの迷走に関して(P120)
〔原文〕
「高速増殖炉を中心とした核燃料サイクルは迷走を続けているのが現実である。」
〔コメント〕
「もんじゅ」トラブルで高速増殖炉計画が大きなインパクトを受け、一時期迷走と言われても仕方がないような状況になったことは事実であるが、現在は「もんじゅ」裁判も決着がつき、再稼働に向けて着実な進展が見られている。原子力政策大綱でも高速増殖炉サイクルは、次世代の有力技術として2050年商用炉の建設をうたっている。このように、国家計画として取り上げられており、決して迷走しているわけではない。またこれに向けた具体策の検討段階に来ているのが現状である。また再処理についても国として再処理路線を堅持して推進していくことを決定しており、六ケ所再処理施設も完成に向け推進しているのが現実である。このような現実を知らないで、あるいはあえて隠して「原子力の現在」を語ることはできない。
11. JCO事故の措置に関して(P121)
〔原文〕
「(JCO事故で)臨界状態を停止させるためにJCOが取った措置は沈殿槽から水を抜くことであった。」
〔コメント〕
沈殿槽内部の水は核燃料物質を含んでおり、これを簡単に抜くことはできなかった。沈殿槽の周辺にジャケットと称する環状の冷却領域があり、この中の水が反射体として機能して臨界が維持されていたので、この水を抜くことにより反射体機能を無くし臨界条件を解除した。
12. 原子炉破壊に関して(P122)
〔原文〕
「原子炉破壊」(サブタイトル)
〔コメント〕
「原子炉破壊」というような大変な表現を使われるのなら、破壊に至る説得力のある技術的プロセスを示すべきである。いたずらに不安を煽る表題であり、とても世間に対して責任ある表現とは思えない。
13. 原子炉へのミサイル攻撃等に関して(P124)
〔原文〕
「さらに恐ろしいのは原子炉へのミサイル攻撃や航空機の体当たりで、これによって核戦争と同様な放射能汚染が引き起こされ膨大な犠牲が出ることだろう。・・・原発とミサイルがある限り、「核戦争」と同様な災害は起こり得ることを忘れてはならない。」
〔コメント〕
2項のところで述べたように、原子力発電所には何重層にも安全防護策が張り巡らされており、その発電所に精通していない者が暴走させて破壊し、且つ重大な放射線災害に導くことは至難の業である。しかし原発に対しては、テロ対応を含め、防災対策が国家規模で練られつつある。本記述のようなリスクを懸念して原子力発電の利用を止める方が、国民の生活に対するリスクはずっと大きいものと考える。
14. 燃料交換に関して(P124)
〔原文〕
「・・・核分裂によって生じた放射性物質が蓄積されていくので、ほぼ3年に1度の割合で新しい燃料棒に取り替えている。」
〔コメント〕
燃料交換の時期は燃料に蓄積される放射性物質の量で決まるのではなく、燃料として使用できる主として、U235の残存量で決定される。このようなごく基礎的な事項も誤認しているかまたは勉強していないような方がどうして「原子力の現在」について語る資格があるのでしょうか。
15. 放射性廃棄物の保管管理に関して(P124)
〔原文〕
「・・・液状廃棄物は強い放射能を帯びており、「高レベル放射性廃棄物」として現在のところ原発の敷地内に保管されている。・・・これらの廃棄物は1000年以上、寿命の長い元素の場合は1万年以上厳重に保管されねばならない。」
〔コメント〕
「高レベル放射性廃棄物」が原子力発電所の敷地内に保管されることはない。長期的には地層処分し、生物環境から隔離することとされているが、保管管理という行為を必要とするものではない。
16. 原子炉格納容器の放射線劣化に関して(P125)
〔原文〕
「原子炉の格納容器は、常に放射線に曝されているから徐々に脆弱となり、そのうち金属疲労で壊れるから、その前に廃炉にしなければならない。」
〔コメント〕
格納容器の壁は原子炉本体からかなり離れた距離にあるので、炉心から出る中性子の照射が問題になることはない。炉心に一番近い原子炉容器の照射脆化の問題は開発当初から留意されており、同一材料の加速照射試験片を用いて劣化状況をモニターしている。設計寿命40年が「立地の困難さから60年に延ばされそう」との記述もおかしいと思います。運転経験の分析や米国などの海外の状況などを踏まえて判断される。また、原子炉容器を取り換えることも考えられ、そうなると60年どころでなく、もっともっと寿命延長が可能になる。
17. 廃炉に関して(P125)
〔原文〕
「・・・廃炉問題を深刻に考えねばならない時が迫っている。さて、強い放射能を帯びた原子炉なのだから、どこに、どのように廃棄するのだろうか。」
〔コメント〕
原子炉本体のように誘導放射能が強い部分は運転廃止後必要な冷却期間保管し、その後解体処分される。鋼鉄に含まれる鉄やニッケル、クロムなどは半減期が割合に短いので10年程度の冷却でよいようである。汚染物質が付着しているものは除染により放射能を除去し、再利用できる材料は再利用する方向で検討が進んでいる。処分の必要なものは処分地と処分方法を決めて一般の生活領域から隔離して処分(保管)される。現在商用動力炉としては、日本原子力発電の東海1号機が最初のケースとして廃炉作業下にあり、技術開発の成果が適用されている。決して深刻な問題ではない。
18. 負の遺産を残そうとしているとの意見に関して(P125)
〔原文〕
「たとえ処分方法が決まっても、1万年もの間子孫に安全管理を委ねねばならないから、巨大な負の遺産を残そうとしているのだ。」
〔コメント〕
人類の持続的発展のために必要なエネルギーを得る方法と、生活環境を保護するための管理システムを構築して子孫に引き継ぐので、全て子孫の為の事業と考えます。卑屈になる必要はなく、胸を張って良いのではなかろうか。
19. 放射性廃液の取り扱いに関して(P126〜P127)
〔原文〕
「・・・放射性廃液をチリトリですくい取ってバケツに入れたり、放射能で汚染された機器をゾウキンでこすりとったり、という作業に従事しなければならない。」
〔コメント〕
原子力発電所の現場では時によりここに記述されているような状況もあるかもしれないが、それは現場作業のごく一部であり、しかもきちんとした被ばく管理のもとでなされているのが現実である。現場作業についての現実をいうのなら、こんな些少なことをあげつらうのではなく、どれだけの努力をして、きちんとした管理がなされているかについて言及するのが、本筋であろう。それを一般の方達が汚いものの代名詞として考えている、バケツ、チリトリ、ゾウキンなどという表現で原子力現場は汚いものだというイメージに誘導しようとしているとしか思えない。現実の現場は殆どの場所が皆さんの家庭の部屋よりきれいなぐらいに整然と管理されている実態をこそ知ってもらうべきことである。
20. 原子力従事者が受ける被ばく量に関して(P127)
〔原文〕
「(原子力従事者が受けている)被ばく量は莫大なものになる。」
〔コメント〕
放射線作業従事者の健康管理、被ばく管理はICRP(国際放射線防護委員会)の勧告値にさらに余裕をとった基準値を決めて規制行政が行われている。職業被ばくについては5年間の平均が20mSv/年を線量限度としているが、この値は放射線医学的にみて、人体に何がしかの臨床的な影響が現れるレベルから一桁以上低い値と理解される。労働者の被ばく線量は国際基準に定められたものより更に厳しい管理基準で日頃管理されており、実績も積まれている。これを「莫大なもの」というのは見当違いもはなはだしい。
21. プルトニウム回収の関して(P127)
〔原文〕
「・・・日本以外の国は、核保有国をのぞき、高速増殖炉から撤退しており、軍事以外のプルトニウム回収を中止しているからだ。日本があえてプルトニウム回収に固執するのは軍事利用のためだろうと勘ぐられているのである。日本政府は、原爆開発を否定し、高速増殖炉を中心とした核燃料サイクルを推進することが目的と説明しているが、必ずしも説得力があるわけではない。」
〔コメント〕
プルトニウムの扱いは核保有国以外では極めて国際的に厳しい。日本が平和利用に徹することが国際的に認められているから、許されているのである。このようなことから、高速増殖炉の開発計画を既に有していたか、今開発に手を染めている国は、日本とドイツ以外は確かに核保有国である。ドイツが計画を中止していることも事実であるが、その一方、ロシアでは、商用発電所BN-600が稼働しており、インド、中国でも活発な開発活動がつづけられている。また、米国DOEのGen-IV計画の中の6炉型の内の半分は高速炉であり、フランスが最近公表した第四世代炉建設計画も内容は高速増殖炉のようである。お隣りの韓国にも高速増殖炉の開発計画がある。このように、ウラン資源の有効活用を指向すると高速増殖炉に行き着くわけである。エネルギー確保問題が世界的に重要視されてきた今後においては、原子力発電国は競って高速増殖炉の開発に手がけることになろうと考えられる。
22. MOX燃料に関して(P128)
〔原文〕
「・・・MOXを使えば発生する中性子数が増えるから、原子力の出力が上がって制御が困難になるとか、原子炉容器の損傷が大きくなるなど、さまざまな問題点が指摘されている。原子炉の危険性が増すのだ。」
〔コメント〕
現在稼動中の軽水炉に装荷される新燃料でも、運転を始めるとプルトニウムが出来てMOX燃料と同じようになって行き、出力の三分の一はプルトニウムが燃えて発生している。プルサーマルは仏、独などでは古くから利用されており、わが国でもATR「ふげん」で25年に及ぶ運転実績がある。MOXを使うが故に原子力の出力が上がったり制御が困難になることはないし、原子炉の損傷については論外で、危険性が増すこともなく、何ら技術的に特に問題になるものでははい。池内了先生のような「専門家」と称せられる方が、このような妄言によって、一般の方々に原子力に対する誤解と恐怖感を植付けようとされる意図を知りたい。
23. ピーク時以外の原発ストップに関して(P129)
〔原文〕
「・・・真夏のピーク時以外は原発をストップしても問題は起こらないし、真夏の電力需要を1980年代前半のレベルに下げることができるなら、脱原発が実現できる」、「10年かけて10年前のレベルに、20年かけて20年前のレベルに」を合言葉にして、20年で達成すべき目標と考える。」
〔コメント〕
原子力発電は真夏のピーク時のみに運転しているかのような言い方をしており、一般のかたの判断を迷わす表現になっている。池内氏ご本人が原子力発電はベースロードとして基本的には常に運転されていることは当然ご存知のはずであるが、それをあえてこのように表現するのは事実誤認といわれてもいたしかたのないところであろう。
脱原発をすれば、現在電力の30%を賄っている原子力の代替電源をどうするかという問題につきあたる。化石燃料では最近の国際情勢や油価格の問題から、かつてのオイルショックのように日本経済がパニックになるし、環境問題も解決されない。このために原子力を国家の基本エネルギーとして位置づけているのであり、脱原発を学者の立場として言うのなら代替エネルギーの解決策も提言するのが当然である。
省エネの観点から3R論(Reduce、Recycle、Reuse)を推進することは異存がないが、生活レベルを20年前に後退させるようなことは夢物語である。生活の利便性や豊かさを放棄できるのであろうか。もしこれを言うなら、どのようにして10年前、20年前のレベルにするかの具体策を示さなければならない。仮に日本人が何とか達成したとしても、京都議定書にサインすらしない国や発展途上国、とりわけ経済発展の著しい中国、インド、さらにインドネシアやベトナムの扱いを考えると、恐らく不可能であろう。この地球上で、人類が持続性のある生存を全うするためには、省エネなどの節約習慣を浸透させるなどは勿論必要であるが、それとて限界があろう。石油、石炭のような化石燃料の高度利用、ウラン、はてはトリウムの利用、太陽光や燃料電池などの新エネルギーなどを総動員して、我々人類の生存の持続性を世界中で考えてゆく必要があると考える。
なお、ドイツがこの方針をとっていると言っているが、こんな事は聞いた事がない。スローガン運動としては考えられるとしても、現実にそんなことで国家エネルギー政策ができるなどと言ったら笑い者になるだけである。ドイツの現状は脱原発を宣言して現在その方向に進めているおり、代替エネルギーとしては太陽光発電、風力発電に注力している。然しながら、いくら政策的優遇策をとってもこれらは限界があり、基幹エネルギーとはなりえない。そこでドイツでは天然ガスに大きく依存する政策を取っており、ロシアとのパイプライン建設に着手している。しかしごく最近のウクライナのガス供給問題でロシアとの問題が露呈し、ロシアにエネルギーの根幹を握られることの国家的リスク論が台頭し、原子力への回帰政策の必要性が議論され始めたのが現状である。このような現状を述べることこそ必要であり、10年、20年前に戻れなどというたわごとなど聞いている時ではない。
24. 二酸化炭素と放射能の選択に関して(P129)
〔原文〕
「・・・原発には放射能という「クリーンでない」要素が付き物なのである。いわば二酸化炭素を選ぶか、放射能を選ぶか、の問題として捉え直す必要がある。」
〔コメント〕
放射性廃棄物は発生量が少なく、影響が及ばないように十分管理できるものである。二酸化炭素と同一レベルで選択の問題とするのは短絡的である。
25. 大事故が起これば日本経済が沈没することに関して(P130)
〔原文〕
「いったん大事故が起これば確実に大惨事になり、日本経済は直ちに沈没してしまうだろう。実に危険な道を歩んでいることを肝に銘じておかねばならない。」
〔コメント〕
大事故としては、1979年の米国で起きたスリーマイル島2号機の炉心溶融事故と1986年の旧ソ連で起きたチェルノブイリ4号機の事故のことを指しておられることと思う。米国の事故は炉心の3分の1が溶融しましたが、工学的安全設備としての原子炉格納容器の機能に守られ、放射性物質の大量拡散にはいたらず、大惨事にはならなかった。大惨事に至った例としては、チェルノブイリ事故だけであるが、これは自動車に例えると、低速度ではブレーキがアクセルに急変するという設計上の特徴を有する特殊な黒鉛減速炉であった。兵器用の良質のプルトニウムを生産するために、敢えて危険を冒した設計になっており、そのこと(特殊な性能であること)が運転者に正確に伝わっていなかったようである。運転責任者が原子炉を止めようとしたところ、「ブレーキ」が「アクセル」の働きに変わっており、急に核反応が暴走し数十秒で原子炉が破壊した事故であった。世界中で広く利用されている原子炉は、十分な自己制御性を付与した設計になっており、このようなことはない。2項で述べたように、高度の品質確保対策の他、可能な限りの安全設計が施されており、小事故やトラブルが大事故に発展しないように配慮されている。池内了先生の解説は読者の原子力に対する恐怖感を恣意的に煽ろうとする意図が見え透いており、大変遺憾に思う。
もし大事故が起こる可能性があるとお考えなら、そのプロセスや規模を含め、工学的に使用に耐えないというならその根拠を示してほしい。根拠がないまま、不安定電源(自然エネルギー)や世界情勢に大きく振り回される可能性の高い火力を多く導入するになるならば、日本のエネルギー基盤を揺るがす問題や環境問題を深刻にする。報道にあたってはその影響が極めて大きいことを留意すべきである。
26. 原子力発電所の発電単価に関して(P130)
〔原文〕
「原発の発電単価が安いのは、放射性廃棄物や廃炉の処分などでまだ十分考慮されていない部分があることが大きな要素といえる。」
〔コメント〕
この問題は昨年、原子力委員会で「原子力政策大綱」が検討された際に、官民を挙げて数値的に検討され再確認された問題で、もう議論の余地はないでしょう。ただ、エネルギー安全保障という点で考えますと、半自前のエネルギーである原子力エネルギーは、エネルギー自給率4%のわが国にとっては極めて貴重な存在であり、単に発電コスト比較で論じるべきものではないと確信しております。
27. 自然エネルギー利用に関して(P130)
〔原文〕
「原理的には無限にある太陽光やバイオマスなどの自然エネルギー利用への多様化を図ることの方が肝要である。」
〔コメント〕
太陽光やバイオマスなどの自然エネルギーも利用していくことは重要なことであり、推進していかなければならない。しかしこれらのエネルギーは様々な問題を抱えており、大きな国家の基幹エネルギーとなるような位置づけにはなりえない。それをあたかも「無限に有る」という表現でこれをやれば脱原発が出来るようなイメージに誘導しようとしている意図が見えてくる。これも意図的誘導ととらえられてもいたしかたないであろう。
気象条件任せの太陽光や風力発電、低エネルギー密度のうえ取扱いにくいバイオマスなどの自然エネルギーがどのようなものか、次第に明確になってきている。勿論このようなエネルギーもなんとか工夫して利用しようとの努力が、世界の工業先進国で行われていますが、風力やバイオマスなどで先頭を切っているドイツに息切れが見える。太陽光は日本が一番進んでいるが、日照条件により季節的にも日夜でも出力変動が大きく、効率も悪く、電力会社の電力網に許容される存在比率には限界がある。即ち、安定した基盤電力で補って運用しないと利用が難しい電源である。また、光発電素子の生産のためには良質の電力が多量に必要であり、省電力技術による生産方法の開発も必要であろう。バイオマスは山間に放置されている木材の収集、チップの製作などの問題があり、エネルギー密度が小さいこともあって、利用は大変である。
このようなエネルギーを10%〜20%も導入したとして、天候次第で発電できない時、結局、火力とか原子力でバックアップするシステムを取らざるを得ず、現状の予備力以上の設備をもつとなるとかえって二重投資ともなる。エネルギーの安定供給のためには、自給率の向上のためにも自然エネルギーの有効利用は必要だが、大電力を賄うには、将来的にも力不足で、安定性、コスト、環境問題などから基幹電源としては原子力が最適である。
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1. 「原子力の現在」という表題であるが、いくら読んでもこの表題にふさわしい内容が見当たらない。現在とはいつを指しているのであろうか。内容の殆どはごく基礎的な原子力発電の仕組みや放射線の問題と原子力事故の説明、解説であり、この程度のことはもっともっと正確に、中、高生向きの解説書(電力会社等が作成)にも十分のべられている。「知るを楽しむ」の企画がどのレベルの視聴者を対象にしているかは知らないけれども他の内容等から判断するとかなり知的水準の高い方達を対象にしていると思われるが、そうであるとすれば、この内容はそのレベルに達しているとは思われない。
2. 科学技術の発展は人類に豊かで便利な生活を与えた一方、社会に負の面を与えた事も事実であるが、負の面を強調して「禁断の科学」と言うような文言で一くくりに論ずるにはかなりの慎重さが必要と思う。一般の人に科学技術が本質的にいやな、忌まわしいものであり、其れに携わる科学者や技術者は隙あらば社会の良識に反した行動を取るものだという印象を与えかねない。光の面と影の面の両方を示したうえで論ずるべきではなかろうか。今回の企画について、NHKはどのような狙いで、どのような判断基準で今回の著者(池内了氏)を選ばれたのであろうか。
3. 科学技術が軍事目的に使われてきたことは事実ですが、それは科学や技術の本質ではなく、其れを使う人間側の問題です。殺人に包丁が使われるからといって、包丁をなくせという人はいません。
4. 国民はNHKが報道する「これがホンモノ」だとする情報発信を、疑いも無く素直に受け入れることになろうが、その実は「事実誤認又は意図的な混同に基づく情報発信」であり、ないしは「反原子力発電の偏った見解紹介」であることに、NHKはどのようにして責任を取る積りであろうか?特に、NHKは事業収入の殆どを国民の受信料で賄なうことが許されている、我国唯一の「公共放送」である。その公共放送・NHKが、「エネルギー政策基本法」或いは昨年閣議決定された「原子力政策大綱」で、原子力発電を我国の基幹エネルギーとして位置付け、「国策」として推進していることをよもやご存知ない筈はあるまい。しかも今回の報道は、練りに練ったシリーズであり、NHK内部でも慎重に審議を重ねた放送番組であろう。NHK内部にも原子力発電に対する深い知識と、公平な判断が出来る人材は豊富におられるであろうし、また、外部にそれを求めれば積極的に協力する学識経験者は多い筈である。何のコメントも無く今回のテキストの内容になったのであろうか。「原子力の現在」の報道は、「単に池内了教授の個人的な見解を、軽く紹介するだけ」とはよもや申すまい。「原子力の現在」にたいするNHKの判断を問う所以である。
5. 化石燃料の枯渇、地球温暖化の問題、石油の高騰などから原子力発電は今まで以上にその重要さが認識され、世界各国でかなり前向きに取り上げられてきております。わが国においても、原子力委員会が今後の原子力政策のあり方について検討を重ね、原子力政策大綱として閣議決定されていることをNHKは十分ご存知でしょうか。じゅうぶん理解していると言われるのでしたら、今回のテキストのような内容が放送されるようなことはないと思いますが、如何でしょうか。
また、「一つの見方」として取り上げるのであれば、まず国策である原子力政策大綱を説明し、その対極として議論するのが公的機関の務めではないでしょうか。
6. 本内容には、ある方向性(原子力発電は無くすべき)を持って、記載されているという問題です。言論の自由ということで、報道することに問題が無いということなのでしょうか?
7.
NHKは、公共のメディアを通じて、「国民に正しく報道する」責務があると考える。原子力に対する漠然とした不安につけこみ、デマを喧伝し多くの人達に不安を押しつけ、中立の人達を原子力エネルギー利用反対へ追いやるような活動に、公器たるNHKが積極的に手を貸してよいものであろうか。事前に気付いた場合には、修正して正しく報道すること。事後に気付いた場合には、速やかに、その修正を報道した時以上に繰り返し報道する必要があると考える。一度誤って報道するとそれを正しく戻すためには、その修正を一度行っただけでは、受け止め手(視聴者)への修正は困難である。
8. 本テレビでの報道の目的が不明です。「原子力についての正しい知識を伝えること」が目的と私は捉えております。その手法として、中立の学者が、淡々と事実を伝える方法と原子力に反対の者と賛成の者が、両者それぞれが自らの意見を入れて事実を伝える(事実と異なった内容については、訂正が必要)方法があると考えます。
9. 今回の報道は、間違った箇所を修正したとしても、明らかに原子力反対の意見が盛り込まれた内容になっています。この状態で報道を終わらせては、NHKの責務である「国民に正しく報道する」を怠ったことになります。
10.
今回の報道を実施するならば、その次の報道時間に、原子力推進派からの報道を予定に入れてもらわなければ片手落ちです。また、間違った事実の報道がなされる危険性がありますので、その際には、速やかに間違った箇所の修正を2度以上行ってください。
11. 「原子力の現在」は、テキストを見る限りではNHKの報道として相応しいとは思われない。筆者の個人的な判断基準・倫理基準をベースに物申しても「公正さ」を欠くので、NHKが自ら定めた「NHK倫理・行動憲章」を紐解いてみた。「原子力の現在」のテキスト及び諸賢から寄せられている指摘事項と照合して、速やかにご検討願いたい。
先ず冒頭に、「〜視聴者・国民の負託に応える公共放送であるために〜」とある。視聴者・国民は、「事実誤認又は意図的な混同に基づく情報提供や、偏りある思想」を聴きたいと公共放送に求めてはいない筈だ。しかしながら視聴者・国民は、科学者でもなく専門知識を持ち合わせていなければ、NHK教育テレビに8回シリーズで出演する「早稲田大学教授の科学者」肩書きに惑わされて、報道を鵜呑みにするであろう。これを「視聴者・国民の負託に応える公共放送」というであろうか?
また、「公共放送の使命と社会的責任,その影響力をあらためて深く自覚する」とある。
NHKの報道に対しては、視聴者・国民は全幅の信頼を寄せて来た。だからこそ国民は、総額672,400, 000,000余円の巨額な事業費を、受信料で負担することを肯じている。それは正しく、「偏りの無い正しい報道」に対してであることは言を待たない。
「事実誤認又は意図的な混同に基づく情報提供や、偏りある思想」が放映されたときの「社会的責任と,その影響力」を、あらためて深く問いたい。
また曰く、「放送倫理を守り豊かで質の高い放送を行います。」ともある。
職員の金銭的な清潔さだけが、放送倫理ではあるまい。何より求められるのは、社会の木鐸としての「報道内容の倫理性」ではあるまいか。「事実誤認又は意図的な混同に基づく情報提供や、偏りある思想」の押し付けは、この行動憲章に沿わないと思うが如何であろうか?
更に、「会長,役員および各組織の長は,本憲章の精神の実現がみずからの役割であることを認識し,その徹底を図ります。また,本憲章に反する事態が発生したときには,みずから問題解決にあたり,原因究明,再発防止,社会への迅速・的確な情報開示と説明責任を果たします。」とある。この行動憲章は、よもや空念仏では有るまいと期待する。
行動指針には、「正確な放送を旨とし,事実をゆがめたり,視聴者の誤解を招いたりするような放送は行いません。放送が事実と違っていることが明らかになったときは,速やかに訂正します。」と謳っている。誠実な情報開示、説明責任、速やかな訂正を願って止まない。
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以下は、会の今後の活動に対する示唆に富む意見を掲載した。
1. 今回のNHK教育テレビ番組「知るを楽しむ」は決して一過性の問題ではなく、これからもしばしば繰り返されることであるので、この際問題点をよく検証し、今後の対策を考えておくべきではないかと思います。一番問題だと思われるのは、「原爆と原子力発電」を意図的にリンクして、一般視聴者に「原子力はこわいものだ、悪いものだ」という先入観を植えつけようと試みていることです。EEE会議や「エネルギー問題に発言する会」の皆様に、以前から提案したいと思っていたことがあります。それは、まさに「原爆と原子力発電はどこが、どう違うか」ということをいかに素人に分かりやすく、簡単に説明するか、その模範解答を作っていただきたいということです。
世間には原子力発電の仕組みや核分裂の原理を書いた書物は枚挙に暇がないが、いずれもあまりにも専門的過ぎて素人には理解しづらいものばかりです。もっと簡潔に分かりやすく書いてほしいのです。ついでに、「兵器級プルトニウムと原子炉級プルトニウムの違い」や「普通の原子力発電とプルサーマルの違い(違わない?)」などについても適宜触れていただきたいと思います。
あくまでも中学生や一般家庭の主婦にも分かるように出来るだけ易しく、出来るだけ明解に、そして出来るだけ短く(精々1ページ程度で)。
2. “原爆”と“原発”、確か主婦連関係の女の方の講演では、まさにこの二つの単語の類似性を絵と発音で説明していたのです。”バク”と”パツ”と何度も発音、さらに続けて発音すると”バクハツ”=”爆発”ですよ、どうです、似ているでしょ、と参加者を煽り、拍手を貰っていました。絵もそれらしく描いてありました。技術者の小生には全く気付かなかった、反対者側の誘導の巧さにショックを受けるとともに、”原発”という言葉はトラウマとなり、以来、書く時も、話す時も私は必ず原子力発電所としています。
Nuclear、 atomicだけでなく、power station と bomb との識別感が、日本語にはないのですから。
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以上、池内了先生がお書きになった「原子力の現在」という稿の問題箇所と思われる部分について指摘させていただいた。また、会員から寄せられた、会の今後の活動に関する示唆に富む意見を掲載した。
今回の抗議については、NHKの本番組担当のデイレクターと直接の電話とメールによる意見交換ができた。NHK側の見解は次の通りであった。
・ 放映内容は既に出来上がっており、抗議を反映したものではない。
・ いただいた抗議・意見は真摯に受け止め検討した。
・ 一部の事実誤認の指摘についてはテキストを3月号で訂正する。
・ その他については見解の差と理解している。
・ 放送内容とテキストが異なることは良くあることである。テキストは著者の独自の見解であり、これについてはNHKとしても変更要求など出来ない。テキストと放送内容の同一性は求めていないのがNHKの正式見解である。
これらの見解については色々反論もあり、この反論も伝えたが、NHKとしても上記のようにテキストの一部訂正を約束したこと、NHKの正式見解を提出してきたこと、抗議を真摯に受け止めていること等、抗議活動としてはそれなりの成果を上げることができたと考えている。
最後に、NHKが公共のメデイアとして、客観的な事実の上に立って正確で公平な報道をしていただくことを望むものである。特に原子力発電に関しては、日本のエネルギーを支える基盤をなしている大切なエネルギーであることを十分に認識しての対応をお願いしたい。
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以上
荒井利治 小笠原英雄 小川博巳 加藤洋明 金氏顕 金子熊夫 黒川明夫 小林弘昌 西郷正雄 中神靖雄 林勉 福田達 松永一郎 牧英夫 山崎吉秀
小川博巳氏、福田達氏のコメントは、次のブログ・サイトに記載されておりますので、ご参照下さい
小川博巳氏:http://blog.goo.ne.jp/kyoan2
福田達氏 :http://blog.so-net.ne.jp/hereticaltohru/
編集 石井正則(ホームページ担当)
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