2006年8月
「総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会報告書(案)」の意見公募に対し、本会会員が提出した意見を集約したものです。(意見公募期間 平成18年6月21日〜7月20日)
目 次
第三部 原子力部会最終報告案審議の結果(2006-8-8決定)
(原子力立国計画)
1.原子力立国計画
電力に限定せず、広くエネルギー全般にやる、単に安定供給ではなくエネルギー安全保障を、原子力による水素製造を、原子力について外部の意見を、報告書の位置付けが不明解、原子力熱利用を入れる。
2.政策の継続実施
政策の継続実施を進める仕組みの構築を!
(エネルギー問題)
3.エネルギー問題の認識
石油問題に切迫感が無い−2名
4.自給率
数値目標を立てる−2名、自給率の画期的向上目標を!
5.ウラン資源対策
民間の実力をつける方向で、ウラン備蓄を検討する。
6.エネルギーデータの調査分析体制を!
6.新エネルギー
新エネルギーの限界についての理解を、新エネルギーは補完的、過大な期待は禁物。
(原子力促進)
8.原子力新規計画の実現
電力の計画を見守るのでは弱い、原子力立地培養を国・電力が、見守るだけでなく、積極的に対策を、当面の需要とは別に原子力を特別枠にして、建設促進を、山積する課題具体的に検討を、もっと具体的に検討を、原子力メリットの可視性化―早くやれ。
9.負荷追従運転−2
10.利用率向上
11.運転期間延長−3名、地元要請による停止、増出力もやるべき−2、寿命延長
12.リプレース計画
計画の早期検討、国主導でやる、もっと具体的に検討を!
13.次世代軽水炉開発
メーカー体制を整備して進める。
14.原子力比率をもっと高く!
15.発電所建設体制
地元参加型の原子力を!
16.将来は国が纏めて新規地点開発を!
(高速増殖炉)
17.FBR開発
外国との連携、研究会でなく推進会議を−3、原子力機構が主体に実証炉を、60万kw実証炉を2030~40年に建設を、社会の理解を得、意見を述べる仕組みを、もっと具体的に進める、トリウムも検討。
(技術開発・廃棄物)
18.技術開発の早期実践
国際貢献、予算確定、省庁分掌 GNEP慎重に検討を!
19.燃料加工
加工費が高い。
20.高レベル廃棄物
広報活動をしっかりやれ、公募方式のみでなく、先に地域選定を行え、TRU廃棄物処分拠出金を!
(其の他)
21.国民広報をもっとやれ!
22.人材・教育の改善
放射線教育者の不足、学校教育の改善、予算の増額、責任体制の明確化、原子力人材の育成。
23.学生との対話
対話活動の支援を!
24.国と地域
地域の文化的風土の醸成を、地域との関係―無気力に取れる、けじめをつけて国がやる姿勢を明確に、地域民との対話を積極的に取組め。
25.サミット
先のサミット会議で原子力のことが議論されなかった−遺憾。
26.国際基準との一致
IAEA基準との合致を図るべき、日本は外れたものが多い。
27.インド−NSGでよく議論を!
28.原子力CDM化を真剣に!
29.PR 広報 マスコミ
行政に非のある場合、誤った報道−積極的に対策を!
30.核拡散防止をしっかりとやれ!
(参考)個別コメント項目
1. 石油・天然ガス資源に対してもっと切迫感を持って対処すべき(小野)
2. ウラン資源確保対策は、民間の実力をつける方向で対処する(小野)
3. FBR開発は、外国の計画と整合性を持って(小野)
4. ロシアとの協力協定を結んで(小野)
5. リプレースの計画を早期に検討(柴山)
6. FBR、研究会でなく、推進会議を(柴山)
7. 自給率改善の数値目標を立てるべき(小川)
8. 独自のエネルギーデータの調査・分析体制を整備すべき(小川)
9. マスメディアの活用など国民広報と教育の改善(竹内)
10. 技術開発の早期実践化(竹内)
11. 原子力発電所の2006年度計画の実現―電力計画を見守るでは弱い(益田)
12. FBR研究会でなく推進委員会をまた実施主体の早期決定を(益田)
13. 学校教育の改善を図れ(益田)
14. 政策の継続実施を勧める仕組みを構築してほしい(林)
15. 原子力比率をもっと高く定める(林)
16. 学生との対話活動を支援してほしい(林)
17. 地元民参加型の原子力発電を(林)
18. 原子力立国計画−電力に限定せず、原子力を広くエネルギー全般に(石井正)
19. 単に安定供給ではなく、エネルギー自立性確保による安全保障の強化の意味を強調すべき(石井正)
20. 負荷追従運転可能な制度を(石井正)
21. 自給率の画期的向上目標の設定(石井正)
22. 新エネルギーの限界についての理解を国民に(石井正)
23. 地域における文化的風土の醸成と人材育成(石井正)
24. 原子力人材の育成(荒井)
25. 原子力立国は誤ったイメージを与えかねない。原子力による水素製造を描くべき (奥出)
26. 原子力について外部の(例えば自動車、化学産業など)意見を(奥出)
27. 立地地域の関係−この表現は「勝手なことを言う知事さんが居ても仕方が無い」と取りました。残念です。(森島)
28. 報告書の位置付けを明確に(松永)
29. 原子力の熱利用を含めるべき(松永)
30. 新エネルギーは補完的、「省エネルギーと原子力で」進むべき(松永)
31. 原子力の建設、見守るだけでなく、積極的に対策を講じるべき(松永)
32. 既設原子力の出力増強も述べるべき(松永)
33. FBR:研究会でなく「実用化検討会」とする(松永)
34. 日本の安全基準はIAEA基準より外れたものが多い。まずこれの合致を図るべき。(松永)
35. インドについてはNSGにおいてよく議論すべき(松永)
36. もんじゅを早く軌道に乗せて、60万kwのFBRを2030~40年に建設する。(石井)
37. 連続運転期間延長・出力増・寿命延長素やるべき(松永)
38. 立地地域との関係―どこかでけじめをつけて国がやる姿勢をはっきりと、将来国が電力・地方を纏めて新規地点を開発(松永)
39. 既設発電所のリプレースによる長期間電源喪失を防ぐ為の対策を、国主導で(松永)
40. 将来の環境問題を考えると、原子力発電の増強を進めるべき、また輸送など総合的に対策を(松永)
41. 当面の需要とは別に原子力に特別枠を与えて、建設促進を(松永)
42. 自給率を明確化(加藤)
43. 原子力CDM化に真剣に取組め(加藤)
44. 地域民対話積極的に取組め(加藤)
45. 行政側に非がある場合、誤った報道、積極的にPR賛成(加藤)
46. エネルギー教育本当にやるならば、予算増額・責任部署の明確化・OB活用を(加藤)
47. 核拡散防止をしっかりと(牧)
48. 原子力の怖さを再認識してFBR時代に備えて、社会全体の理解と意見を述べる仕組み作りの指針を(牧)
49. FBRもっと具体的に、その際トリウムも考慮すべき。人材育成も必要(牧)
50. 山積する課題についての対策を具体的に検討してほしい(牧)
51. 石油ピーク問題を明確に言うべき(斎藤)
52. 2006年度原子力計画―この案は問題がある。より具体的に検討を(斉藤)
53. レプレースの政策目標に疑問あり―もっと具体的に検討を(斉藤)
54. 原子力のメリットの可視性化―是非早期に進めるべき(斉藤)
55. 既設原子力の活用:増出力・連続運転期間延長など(斉藤)
56. 高速増殖炉 もつとしっかりやれ(斉藤)
失われた10年より本来あるべき姿への原子力復帰への躍動を頼もしく思います。我々の提案の考え方が採用されたことに感謝いたします。
この計画を実現するためには、必要な予算を必ず獲得して下さい。
以下に2〜3辛口のコメントを述べます。
意見1
[該当箇所]
第1部、 III 国、電気事業者、メーカー間の建設的協力関係を深化。このため関係者間の真のコミュニケーションを実現し、ビジョンを共有。先ずは国が大きな方向性を示して最初の第一歩を踏み出す。(6頁)
[意見]
政府の報告書としては、率直に、適切な現状分析をしていることに敬意を表わします。適切な対策には正確な現状分析が必要である。
意見2
[該当箇所]
第2部、第2章、第2節、核不拡散の強化(23頁〜、118頁、120頁)
[意見]
IAEAエルバラダイ氏はウラン濃縮、再処理は国連の管理の下に置くと主張し、米国のブッシュ大統領はウラン濃縮、再処理は現在実施中の国に限定すると主張している。何れもウラン濃縮、再処理を放棄した国には核燃料の供給は保障するとしている。この提案が将来どのような収束をするか不透明であるが、わが国も国際的な核不拡散には積極的に協力しなければならないが、「軒下貸して母屋取られる」ことの無いように。
意見3
[該当箇所]
第3部、第1章、第1節、2 基本的な考え方(28頁)
[意見]
「万一政策目標が達成しない場合の対策」として「電気事業者の決意を尊重し、電気事業者の取組状況を見守る」では対策にならない。経済的に余裕のある時は電気事業者の自主的判断に任せることは当然であるが、万一民間企業の限界を越える事態になり、目標が達成されない徴候が現われた時には、財政的な支援およびリスク軽減のための措置などの行政指導で目標未達成を防止する対策を実施しなければならない。さらに、真剣に現実的に記述して頂きたい。
広域運営が不調に至った時、政府には「出力調整権」があり、原子力環境整備機構がその業務を実施不可能になった時は経済産業省が機構の業務を代行することが規程されているが、発電については何も規程されてない。
意見4
[該当箇所]
第3部、第1章、第1節、5.政策目標の実現に向けた課題と対応策、(4)原子力発電のメリットの可視化(37頁)
[意見]
不適切な表現:
原子力発電のメリットの可視化→メリットの理解促進
「可視化」とは温度、圧力、磁場などの物理量を定量的に視覚に訴えるように表現する方法であろうが、この文章はパブコメを求めるため、一般国民が理解し易いことが本来の目的なので「可視化」を「理解促進」とした方が良いのではないか。
哲学、宗教、倫理など視覚的に認知できないものでも重要なことはいくらでもある。今まで、原子炉事故、原爆被害などメディアの過剰な可視化に悩まされて来た。これに打ち勝つ具体案があればよいのだが?
意見5 誤認訂正
[該当箇所]
スケールメリット→プラント効率(48頁)
[意見]
ここでは、「スケールメリット」をプラント規模の拡大による有利さを主張していると解釈できるが、本来、技術的には反応容器が大きくなることによる単位生産コストが低減することを意味している。原子炉の場合はスケールメリットがあるが、遠心分離器の場合はスケールメリットはない。誤解を避けるためには「プラント効率」の方が良いのではないか。
[該当箇所]
図3.4.5の題名と縦軸の説明が異なっている。(89頁)
[意見]
電力共通研究は電力会社の研究開発の一部である。電力会社の全研究開発費はこの数倍である。詳しくは電気事業連合会に問い合わせて下さい。
意見6
[該当箇所]
第3部、第4章、第2節、3 今後の対応(92頁)
[意見]
「国、電力会社、メーカーが一体となったナショナルプロジェクトとして日本型次世代軽水炉開発に着手すべきである」。と述べているが、メーカーがプロジェクトの主体となって実施できるか?
国内向けには、国がエネルギー安定供給上の原子力発電の位置付けを明確に示し、電気事業者がその仕様を示すことが前提である。ベースロードとしての大型炉か、負荷変動用の中間規模の炉か、固有の安全炉を期待するのかを明示する必要がある。
対外的には、ABWRが成功したのはGE,東芝、日立以外には大きな競争相手が居なかったことが特徴付けられる。PWRの場合はEPR(フランス)、AP1000(Westing Hauce)、VVER(Minatom)等の競争相手が多いので日本の独自性が出し難い。日本のPWRメカーは米国の戦闘機メーカーほど市場が成熟していない。慎重な行動が望ましい。
意見7
[該当箇所]
第3部、第6章 原子力発電拡大と核不拡散の両立に向けた国際的な枠組み作りへの積極的関与―海上輸送に際しての核物質防護体制(115頁)
[意見]
わが国はIAEAの核不拡散体制に協力して統合保障措置を認められた。IAEAの査察に協力するために(財)核管理センターが設置され、日本原子力研究開発機構にも核不拡散の技術向上のための研究部門も設置された。しかし、ヨーロッパより核燃料輸送の安全については、わが国の政府機関は関与していない。「敷島」は何故民間会社の核燃料輸送を護衛できないのだろうか?第3